2010年6月5日土曜日

疑念

昨日思ったことがあったので書いておきます。

多くのミュージシャンがライブハウスのシステムに疑問を抱いているこの頃ですが、昨日のイベントを経て、やはり僕はライブハウスの提供するサービスに納得がいきません。
お金を払えば誰でもライブができるという考え方は悪くはないと思います。
ミュージシャンも、入場料に見合った演奏ができるように努力する必要があると思います。
でも、やはりライブハウス側は努力が足りないと思います。
ミュージシャン人口が十分にあり、今のビジネスモデルで確実に儲かるからといって、サービスを改善せず、いつまでも同じ方法で営業しているのはいかがなものでしょうか。

昨日お世話になったお店のお客さんに対するチャージはライブハウスの平均的なチャージとほぼ同額でした。
もちろん音響面での違いはありますが、それを差し引いても、お店の提供するサービスは素晴らしいものがありました。
あれだけの美味しい料理を提供してくれました。
飲み物だって、ペットボトルからカップに注いだだけのようなものではありません。
そこにはお店を運営してゆくための努力が表れています。

ライブハウスは、もちろん良い音響を提供してくれたり、イベント組んでくれたりしますが、お客さんに心地よい場を提供する面で努力をしていない気がします。
とにかく、出演者にお客さんを呼んでもらってお金をもらえばいい、そうなっているのが現実です。
ライブハウスは、良い音楽も重要ですが、出演者とは関係なく、来たお客さんを感心させる付加価値を提供する必要があると思います。

一点だけ付け加えておくと、悪いのはライブハウスのスタッフではないと思います。
スタッフの方は低賃金でハードな仕事をこなしていると思います。
悪いのは、儲ける仕組みを作って、初期投資だけして、あとは金が流れ込んでくるのをふんぞり返って待っている経営者です。

でもこう思っているのは僕だけではなく、多くのミュージシャンがライブハウスに縛られず、異なる形で演奏できる場を求めて、あるいは自分達で作ってゆくという大きな潮流がすでにできています。
これはネット配信がレコード店を追い詰めていっているのと同じく、今後のパフォーマンスの場の在り方を根本から変えていっています。
ライブハウス側もこの潮流から何かを学んでいかないといずれは立ち行かなくなることでしょう。

4 件のコメント:

  1. お金が入ってくるぞ、と、ふんぞりかえっていたんだけど、思ったほどお金が入ってこないので、もうどうでもいいや、という気分になっている経営者。とか。

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  2. 経営者たるもの趣味じゃダメだし金儲けでもダメ。
    経営理念につきるわけだから。
    演奏者、お客様、従業員、空間、ひいては社会への影響。
    これらが全て経営者の頭の中に描かれていてこそビジョン。
    それさえあればビジネスモデルは自ずとして生まれる。
    千勝さんくらい意識の高い人こそ経営者な気がします。
    ミュージシャンと経営者は相反するものではないですし。
    記事読んでて今回つかめたのってその一歩目だと感じました。
    ライブ行けるの楽しみにしてます!!

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  3. あらあら、珍しくお客さんが。

    >あかおさん
    そうね・・・まあ、そんなに儲かってもいないとこもたくさんあるだろうね・・・

    >小沢さん
    いや・・・僕に経営者は無理でしょう・・・
    ただ、こういうことにしかリアリティを感じないというか・・・
    本当に、ゼロから、一歩づつ自分のすべてで体感しないと信じられないというか・・・

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  4. そのリアリティが全てだと僕は思いますけどね!
    自分が創りたい世界があってそれを実現する。
    行動に出ている時点で誰にも止める権利はないし、
    行動に出る権利こそ押し進んでやるべき。
    それはアーティストの領域だったりして。
    そういう意味で、境界は無いと思っています。

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