2010年8月3日火曜日

フジロック日記

初めてフジロックに3日間通しで参戦して参りました。
てなわけで、個人的な記録も兼ねて感想を書こうと思います。

そもそもあまりプロのライブには足を運ばない方ですが、やっぱりたまには見ておくべきですね。
これ、痛感しました。
フジロックに出てるアーティストのほとんどは、僕のようなアマチュアミュージシャンからしてみれば、いわば天上人なわけですが、それでも自分の立位置を確認することは重要に思えます。
一応彼らも同じ人間なので。

最近の傾向なのかは分かりませんが、今の最前線のバンドは技術が素晴らしく高いです。
グランジの台頭以降はしばし技術を軽視というか、むしろ蔑視する傾向があったと思いますし、いわゆる「ローファイ」の名の下で「ヘタウマ」が相当まかり通ったと思います。
逆に、80年代は、内容を軽視して、上っ面と技術をひけらかすことが顕著だったと思います。
今年のフジでは、こういうトレンドを経た今のバンドは、メッセージ性、メロディ、高い技術をバランス良く備えている印象を得ました。

特に印象に残ったのが、アメリカのMute Mathというバンドです。
以前からライブが上手いバンドという評判だったみたいですが、あまり個性のない売れ線バンドという勝手な印象であまり気にしていませんでした。
初めてライブを見て、演奏の素晴らしさに圧倒されました。
曲は確かに普通にキャッチーでポップなんですが、曲の節々で見せるセッション風の盛り上がりは、随一の技術と、もの凄いボルテージを兼ね合わせたものでした。
特にボーカルのパフォーマンス(歌は上手いわ、鍵盤も上手いわ、多分パーカッションもやってたわ)とドラムの超絶プレイは際立ってました。
それをポップな曲と、ほんとにシームレスにつないでくるんです。
モダンロック(パンク等、既存のトラッドなロックではないロック)バンドとしてやれそうなことはすべて、最高水準で網羅してる恐ろしいバンドです。

他に印象的だったのは、期待以上の演奏を見せてくれたDirty Projectorsと、ここでも以前紹介したYeasayerの2バンドでした。
このバンドは、ボーカルのハーモニーが素晴らしかったです。
これもひとつのトレンドだと思いました。
皆何かしら楽器を演奏するし、歌もがっつり歌う。
こういうことは、トレンドであるかもしれませんが、技術と一緒で、できた方がいいに決まってます。
Dirty Projectorsは、マニアックな演奏と美しいハーモニーを上手くまとめてました。
Yeasayerは、レゲーを基調にしているのか思っていたら、多種多様な民族音楽の要素を取り入れながら、やや演歌調の美しいメロディとキャッチーなフレーズの繰り返しをバランスよく散りばめてました。

Vampire Weekendは極上のポップでした。
音源を聴いている限りでは、一番でっかいステージでは力不足ではないかと心配していましたが、ギター、ベース、シンセ、ドラムのコンパクトな編成、それも繊細で丁寧な音でも十分な迫力がありました。
これも上手さなんでしょうね。
しかし、アフロポップ(?)という馴染みのないスタイルを基調に、そこまで良質のポップを量産できるのは脱帽です。
曲の良さという意味では一番良かったかもしれません。

MGMTは、最新作があまり好きになれなかったんですが、ライブを見て、まず高い演奏力に感心し、じわじわと馴染んできた超個性的な世界観に意外と好感を抱きました。
とにかくストイックなバンドです。
新しい曲のウケが悪いであろうことは本人らも自覚してる気がするんですが、まったく物怖じせず、どっしりと腰を据えて黙々と演奏してくれました。
とにかく個性的です。
でもキャッチーでもあります。
今後も期待できる良いバンドです。

他にも書きたいことは腐るほどあるんですが、今回はこれくらいにしておきます。
海外のバンドは、演奏が半端なく上手いうえで、客の心を掴むツボを知ってる気がします。
凝るところは凝る、シンプルにまとめるところはシンプルにまとめる。
このメリハリが日本のバンドにはないと思います。

最後にですが、MetrogeekのドラマーT氏にばったり遭遇してびっくりしました。
嬉しかったです。

2 件のコメント:

  1. フジロック行ったくらいの体感温度になりました、
    ありがとうございます!
    十数年ぶりにNirvanaを聴いて
    偉大なミュージシャンは、
    みんな音楽好きだなと改めて思った。
    The BeatlesがElvisに憧れていたように
    過去のミュージシャンが作った
    ミュージックのファンになり、
    自分も自分の音やスタイルや曲を作ろうと志す。
    素直に考えたら素敵な循環ですよね。
    音楽を知り尽くしたつもりでも
    個々人の人生体験やそのときの技術に伴って、
    必ずその先があるから
    音楽は人類の歴史から消えたことないし
    今後も消えないんでしょうね。

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  2. とりあえず、良い感想を書き出してみた。
    つまり、わまり良くない感想もある(笑)

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